EARTH DAWN
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2000,01,23(Sunday)


救 出〜カナリアのオーブ(仮)<1>
メンバー 種族 ディシプリン サークル
アタラクシア   エルフ ウォリャー 
イーボル オーク    キャバルリーマン
ガッシュ・オブスチネート・サンダークラップ ヒューマン スカイレイダー
レイフィラル エルフ エレメンタリスト


レイフィラルの報告

 それは"朝露の雫"の最後の謎を解くべくスロール王国へ向かっていたときのことでした。前日の野営のときにアタラクシアがうなされていたのが、印象に残っています。このときすでに彼には、これから起こるだろう事件の予兆のようなものが感じられたのかもしれませんね。

 アタラクシア、ガッシュ、イヴォールと共にスロール・クラタス間の交易路を進んで行くと突然ご婦人の叫び声が私の耳に届きましたので、急いで私たちは声の聞こえる方へと向かいました。そこに着いてみると停止した一頭立ての馬車の向こう側に、森の中へ入ろうとするヒューマンのご婦人を使用人らしい服装のオークが必死に押し止めている姿が見えました。
 事情を尋ねてみるとご婦人の息子さんであるアムの乗る馬が、この辺り一帯に生息する巨大な蝶々の持つ幻覚を与える鱗粉によって暴れ出し、森の奥へと入り込んでしまったとのことでした。そして、ご婦人は私たちに息子を無事に連れ戻して欲しいと涙ながらに訴えました。このような話を聞いて、断れるアデプトがどこにいるでしょう?
 この一行を率いているドワーフの商人のガスターさんとその息子のタパスさん、護衛として雇われているトゥスラングの女戦士セラニカさんとヒューマンの戦士タパカさんが後を追っているとのことでしたので、私たちもすぐに後を追って森の奥へと進んでいきました。

 しばらく進んで行くと前方から何か声を張り上げているトゥスラングの女性の声が聞こえてきました。その場にかけつけてみると倒れたヒューマンの戦士を庇うようにラージモンキーと戦っているセラニカさんの姿が見えました。しかし、やはり数の多い敵の攻撃に耐え切れずにとうとう彼女も倒れてしまいました。どうやらラージモンキーの縄張りに踏み込んでしまったようで、木の上に潜む猿たちのことも考えればまともに戦うことは死を意味します。ガッシュとイヴォールが猿たちを引き付けているうちに、アタラクシアと私で倒れているセラニカさんとタパカさんを猿たちの縄張りから運び出し、その後に私たちはその場を逃げ出しました。

 先程の馬車のところまで二人を運ぶとガスさんが素早く応急手当を行ってくれたおかげで、タパカさんから話を聞くことができました。ガスターさんとタパスさんは、どうやらさらに奥の方へと向かったとのことでした。そして「バトンタッチだわね」と笑って、私にセラニカさんは言いました。その言葉に託された想いに応えようと私は思いましたよ。笑ってそう言ってくれるセラニカさんの懐の大きさに感心しました。機会があれば一緒に冒険したいものですね。

 猿たちの縄張りを迂回し、木に宿る精霊に彼らの向かった方向を尋ねて、先に進んで行くと今度はドワーフの上げる罵り声が聞こえてきました。その場にかけつけてみるとガスターさんと横倒しになった馬を襲っている3体のジャイアントアントの姿が見えましたので、そのまま戦闘に突入し、そのジャイアントアントらを倒しました。そして、その後に骨折をした馬の治療を一心不乱で行っているイーヴォルの姿を見て、すでにその馬のことを諦めてしまっていた自分の不明を恥じましたね。何事も諦めてしまっては、そこにある可能性を捨ててしまうことになるのですから。

 ガスターさんから状況を聞いてみるとアムくんとタパスさんは、ジャイアントアントの巣の入り口の近くにある地面の割れ目に落ちてしまったようでした。大人が入るには小さすぎる割れ目から、中の状況をタパスさんに尋ねてみると「柱の乱立した忘れ去られたケーアのようだ」とのこと。そして、ジャイアントアントの姿も見かけたとのことでしたので、ジャイアントアントの巣とケーアは繋がっている箇所があると考え、ガスターさんにはこの場所に待機してもらうことにして、私たちは巣の入り口から探索を開始しました。途中、何匹かのジャイアントアントと遭遇しましたが、先頭を進むガッシュの活躍でなんとか撃退し奥へと進んで行きました。愛馬のミスティルティンの前に立って先導しているイーヴォルには狭い穴の中を進むことへの戸惑いが感じられました。やはり彼には、大平原の中を風のように疾駆する姿が似合っています。

 ガッシュの度々呼びかけていた大声に応えるようにジャイアントアントの掘った穴の窪んだ部分の天井の穴からタパスさんのものらしく声の返答がありましたので、アタラクシアと私の二人で様子を探っていることにしました。天井の穴にイーヴォルの愛馬を押し上げることは不可能だったからです。

 二人で慎重に進んで行くと柱の乱立したドーム状の広間に辿り着きました。そこでやっとタパスさんに会うことができましたが、ジャイアントアントに襲われて隠れている間にアムくんを見失ってしまったのことでした。ただタパスさんが隠れていた方向へは来なかったと言っていましたので、タパスさんにはガッシュとイーヴォルに合流するように頼み、私たちは彼が隠れていたのとは反対の通路の奥へと進んで行きました。道はだんだんと上り坂へとなっていき、ついには森の中へと通じていました。
 私は、その出口の側に立っていた大木に宿る精霊に話し掛けて、ヒューマンの子供がここを通らなかったか尋ねてみると「トゥルーウッドを持ったエルフといまいましい蟻しか通っておらん」との答えでした。どうやらアムくんは、ここに来てはいないようなので、アタラクシアと共にガッシュとイーヴォルが待機している場所へ戻ることにしました。
 トゥルーウッドを持ったエルフに興味はあったのですが、このときは切迫した時間の中であった為、今追求せずとも後で聞けば良いと考えました。ここのケーアの遺跡の調査しているエルフだとこのときは思っていたのです。

 ガッシュとイーヴォルと合流した後、一度地上へと戻り、タパスさんをガスターさんの元へと連れて行きました。そして柱の乱立した地下の遺跡へと先程発見した森の中の入り口を通って向かいました。イーヴォルの愛馬を連れて行くには、そのルートを通るしかなかったからです。
 再び訪れたケーアの部屋にて、今度はアムに合わせた視線で何か手掛かりがないか調べることにしました。すると倒れた柱の影の床にひび割れた隙間を発見し、そこから子供の泣き声が聞こえてきます。呼びかけてみるとアムくんが、暗くて周りが何も見えないと泣きながら答えてくれました。その様子を見ていたイーヴォルとガッシュが揃って
「男がメソメソ泣くんじゃねぇ」
 と怒鳴りつける姿には危惧を覚えました。楽しいとき嬉しいときには笑い、怖いとき悲しいときに泣くのは、子供だったら当たり前のことではありませんか?
 このとき自分の胸に去来したのは、アムくんに希望と安心感を与えられないアデプトとしての未熟さを悔やむ想いです。そして、そのときアムくんはどこをどう歩いたのか足を踏み外して水の中に落ちたようでした。必死の呼びかける声も空しくひび割れた隙間を反響するだけでした。

 私たちは急いでケーアの奥深くへと続く通路を進んで行きました。周りの壁の奥から水の流れるような音が聞こえていたので、下へと進んで行けば水の流れ出る場所があるだろうと考えたからです。途中からケーア内を漂う甘ったるい匂いと動きの鈍くなっているジャイアントアントの姿を訝しく思いながらも、私たちはどんどんとケーアの最深部へ向かって行きました。とうとう流れ落ちる水がたゆたっている池のような場所に辿り着きましたが、その周辺を探してもアムくんは見つかりません。この池から流れ出ている水路を追って、アムくんを探すことにしました。どうやらこの辺りはケーアの居住区のようでしたが、すっかりジャイアントアントの幼虫の飼育部屋になっているようでした。といっても、一つも部屋を覗いては入り口に土塀が築かれ入れない状態になっていましたが・・・。
それよりも気になったのは、あちこちに積み重なるように倒れているジャイアントアントの姿でした。甘い匂いは先程より強くなっていました。そして祭壇のある広間に足を踏み入れたとき、空気を震わすような不思議な声がエルフ語で話し掛けてきました。
「この部屋が女王の間と知っての狼藉か?」
 と。

 その問いかけに子供を捜しているとの答えをアタラクシアが返しましたが、しばらくの沈黙の後、エルフ語で二人が言い争うような話し声が聞こえてきました。注意深く辺りを警戒しながら奥に進んで行くと想像を絶するような大きさの女王蟻の姿と灰色のローブを羽織った男性のエルフの姿がありました。私はエルフ語にて女王蟻にアムの行方を尋ねましたが、どうやら知らないようでした。女王の傍らに立つエルフにも尋ねたのですが、返ってきたのは悪意ある言葉だけでした。このエルフの声は、葉が擦り合わさるような音を感じさせるうえ不快な気持ちを抱かせるものでした。
 次に今まで疑問に思っていた倒れている多くのジャイアントアントについて女王に問い質したところ、女王もその状況を知らなかったらしくエルフとの口論となっていましたが、灰色のローブの男は倒れていたジャイアントアントたちを操り、私たちを排除するようにとの命令を出してきました。
「弱い者は死ぬが良い。新たなるネームギバーがもうすぐ誕生するのだ」

 ガッシュは、その跳躍力を生かしてエルフの男に接近戦を仕掛けました。私も元素魔法で迫りくるジャイアントアントたちの動きを止めようとしましたが、何しろ数が多いためにゆっくりとではありますが包囲されていきます。アタラクシアは私の側に立ち、イーヴォルはその突進力を生かして、ジャイアントアントに応戦します。ガッシュは素早い攻撃を与えますが、エルフの男も魔法の防御を張り、なかなか致命傷を与えることはできません。しかし、ガッシュの盾による一撃がエルフの男を転倒させ、その隙をアタラクシアは見逃さずに一気に間合いをつめて攻撃を仕掛けます。そして、アタラクシアの剣による一撃が、灰色のローブの男の胸へと突き刺さりました。死へと向かう男の最後の言葉は
「私の死は無駄ではない。なぜなら新たなネームギバーが誕生したのだから」
 というものでした。その言葉を聞いた瞬間に、卵が割れるようなイメージが頭の中に飛来し、何か禍しい重圧を感じました。このときアタラクシアは、女王の巨大な体を飛び越えて奥の部屋へと向かって行きました。

 邪悪な気配に気を取られていた私は、背後からジャイアントアントの攻撃を受けてしまいました。立っているのがやっとという状態となって部屋の片隅に追いやられる私を助けに、イーヴォルが敵の群れの中を突っ切って来てくれました。しかし、そのイーヴォルも群がってきたジャイアントアントの攻撃によって深手を負ってしまいます。ガッシュも私と敵の間に立ち塞がり必死に応戦しますが、数の多い敵の猛攻に耐え切れずに倒れてしまいます。
 イーヴォルは愛馬から降りて倒れたガッシュを背負い、私は彼の愛馬に乗せてもらって、決死の脱出を試みようとしたとき、突然女王の悲鳴が広間中に鳴り響きます。
 そして、私たちを取り囲んでいたジャイアントアントたちは、女王の方へと向かっていきました。この機会を逃さずに私たちは、広間の出口へと向かいます。そこで振り返って、アタラクシアの姿を探すとアムくんを担いでこちらの方に走ってくる彼の姿が見えました。
 女王の絶叫が鳴り響く広間を後にして、我々は地上を目指して進んで行きました。

 アムくんをご婦人のもとに無事に届けると非常に喜んでくれました。そして、アムくんもにっこりと笑っています。私たち、アデプトにとってなによりの報酬はこの笑顔です。そうでしょう?
 しかし、アデプトとしてもっとも悲しいこともありました。仲間であるガッシュが、もはや息をしていなかったのです。仲間を失ったときの心情は、とても言葉に例えることはできませんね。・・・あのときのアタラクシアは、こんな気持ちを抱え込んでいたのでしょうか。
 そのときガスターさんが「これを使え」と一つの瓶を持ってきてくれました。その瓶に入った液体をガッシュの口に含ませると、ガッシュは一度大きく痙攣した後に弱々しくではありますが息をし始めたのです!そして私たちはガスターさんの馬車に同行させてもらい、休息の時を求めて街へと向かいました。

 明日の伝説のために・・・。


獲得伝説点
獲得伝説点内訳 アタラクシア イーボル ガッシュ レイフィラル
セッション目的:アムの救出 120点 100点 100点 100点
敵:ラージ・モンキー 20点 20点 20点 20点
英雄的行動(護衛の救出、仲間の救出) 70点 90点 80点 80点
敵:ジャイアント・アント(働き) 0点 0点 0点 0点
敵:ジャイアント・アント(兵隊) 100点 100点 100点 100点
敵:ジャイアント・アント(超女王) 0点 0点 0点 0点
敵:エルフのエレメンタリスト 75点 75点 75点 75点
独創的なロール 25点 50点 25点 50点
プレイ態度^^ ▲25点
アイテムGET(カナリアのオーブ) 100点 100点 100点 100点
ログ記録(サークル×50点) 100点
取得合計伝説点 510点 510点 500点 625点

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