EARTH DAWN
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1998,12,13(Monday)


ジェフスラの襲撃〜七流星の剣
メンバー 種族 ディシプリン サークル
ハイゼマン ドワーフ エレメンタリスト
トゥクースレス=トゥクラーノス(トゥクトゥク) トゥスラング ソードマスター
ヴェフル=ロングショット=ムース トロール アーチャー
イルディアル ヒューマン ネザーマンサー


バータータウン、ランバンの記録屋(※)にて、ヴェフル=ロングショット=ムーズからの報告

 この間の旅の話を話そう。
 俺達は(ハイゼマン、トゥクトゥク、そのに俺だ)パーレインスを目指し旅をしている途中だった。

 旅の行程も順調にすすんで、俺達の眼前にはようやくパーレインスが姿を表わしはじめた。まだ、何マイルも離れていると言うのに木々の間から巨大な姿を表わしていた。何時ものようにトゥクトゥクが下らない前口上を上げているときだ。街道の外れから、助けを求める声が聞こえてきたんだ。

 俺達はその悲鳴のほうに進んでいった。トゥクトゥクが先陣をきって突っ込んでいく。俺はもちろん慎重に音の方へ進んでいった。
 木々を抜けて進んで行くと、そこにはルイベックの村で闘ったものと同じ、巨大蜘蛛の化物がいた。そして、その蜘蛛に果敢に戦いを挑んでいるエルフがいたんだ。エルフは蜘蛛に攻撃され木の葉ように吹き飛んだ。トゥクトゥクが加勢に入り、倒れたエルフと蜘蛛の間にフラフラと割り込んでいった。
 俺もつかさず蜘蛛に向けマーキングを試みたが。不覚にも蜘蛛に先手を許し。奴の放った氷の網の餌食になってしまった。この後の戦いはあまり分からないが俺が網から抜け出したときには蜘蛛は逃げ去るところだった。反撃もできず、自分の力のなさを実感させる戦いだった。‥‥(彼はここでも語尾を濁らせたが、失敗を見とめない事には前にすすめないからと言って笑った。)

 ハイゼマンはエルフを介抱していたが傷が酷く、微かに意識を取り戻したが
「ヘイブンのハイヤモンの所へ‥‥」
 と言い残し気絶してしまったんだ。体の痛みは酷かったが俺は意識がまだあったから、その傷だらけのエルフを担ぎ。目的のパーレインスの町、ヘイブンへ向かうことにした。

 俺はハイゼマン、トゥクトゥクと分かれ、【ロークの形見邸】に向かった。俺が今一番欲しかったのは凍りついた体に流し込む強い酒だったからだ。それに、傷ついたエルフも寝かせられるしちょうどよかった。

 俺の体も少しは温まった頃、ハイゼマンはよぼよぼのじいさん(こいつがハイヤモンとか言う、人間の理論魔術師だ)トゥクトゥクがガーレンのクエスターを連れて戻ってきた。

 ガーレンのクエスターが俺とエルフ(名前をブレスティーと言う)を治療している横でハイヤモンが大体の経緯を話した。要約するとこうだ。(ブレスティーの報告も入っているが)

 ハイヤモンの依頼でブレスティー達5人のアデプトはここから3日半ほど離れたケーアの調査を始めたらしい。ケーアにたどり着いたブレスティー達はそこで、多数のジェフスラ(巨大蜘蛛の化け物の名前らしい)に襲撃されてしまった。俺達は単体のジェフスラを相手にしてきたが、こいつらは知能も高く集団で襲うことも可能なようだ。被害が増大してきたため、ブレスティー達は近くのエルフの集落であるセリアラに向かった。しかし、セリアラで休息の暇もなく集落は奴隷商人の集団に襲いかかられたのだ。傷の回復もできず仲間を失って(人間のエレメンタリストが奴隷商人の兵士に殺されてしまったようだ)ブレスティーが単身ヘイブンまで助けを呼びに来た。

 と言うことらしい。こうなっては仕方ないだろう。トゥクトゥクは話の間から何時話を受けるかうずうずしてるようだし、ハイゼマンも手をかしたがるだろう。俺の方はまだ痛みは残るが傷自体はふさがったし反対する理由もなかった。

 ハイヤモンは俺達にセリアラまでの案内人としてエルフをよこしてきた。イルディアルと名乗った男は、前回の敵だったネザーマンサーのアデプトだった。信用できん男だが、セリアラの村が出身地らしく土地にも明るく、同族が奴隷商人に襲われていることを考えると拒否することもできなかった。

 カルマリチュアルの時以外を除くほとんどを行程につかい俺達はセリアラを目指した。セリアラまで半日という集落にたどり着いたとき、村のアドバイザーの情報とイルディアルの勧めで、セリアラを目指す道を1時間ほど離れた、隠れ径を使うことにした。ここで十分な休息を取りたかったがどうやらそんな暇はなさそうだ。

 俺達が街道から外れ、イルディアルの言う径に出たとき。あたりは死臭が漂い、径には乾いた血とばらばらになった死体が転がっていた。現場を調べてわかったのは、どうやらセリアラは奴隷商人にすでに落とされているようで、奴隷の輸送中にジェフスラに襲われたと思われる。地面に残った轍から、もう一台の馬車は引き返したような跡がわかった。

 イルディアルを先頭に俺達はセリアラにたどり着いた。夜中のせいもあり辺りは暗く、物音一つしない闇夜だった。イルディアルが少しは焦ったように村の家の中に飛び込んでいく。俺はイルディアルの後ろから警戒しながらついていった。辺りに微かに漂う死臭から生存者は居ないようにおもえた。

 イルディアルは更に集落の奥へ走っていった。今のあいつにかけてやれる言葉は俺には見つからなかった。さすがのハイゼマンもプレゼントはしなかった。

 イルディアルは大きな建物の前にいくと立ち止まった。ハイゼマンが中に3人程の気配がすることを教えてきた。イルディアルは呪文を唱え始め梟を使役し、中の様子を調べ始めた。その時には何時ものつまらないイルディアルに戻っていた。

 イルディアルの得た情報で、建物の一階に3人の影。上の階にかなり大勢の人々の影があるらしいことが分かった。それに、建物の裏に壊れた馬車も発見した。

 俺達がこれからどう攻めるか考えていると、暗闇からの矢が一本俺達の間に撃たれた。あたりをうかがっていると、近くの木が光だし空中から低い男の声が響きわたった。幻術師の仕業だ。そいつは、俺達に村の人間の開放を条件に村の中に潜んでいるジェフスラ2体の退治を要求してきた。

 俺はシャーラタンの言うことなど聞きたくはなかったが、人質救出にはしかたなく条件を飲むことに。でも、これで分かったことがあるイルディアルだ。あいつは同族すら平気で取り引きの対象としちまうんだ。あいつがトロールだったら角を叩き折ってやる。やはりネザーマンサーなんて信用はできんのだ。

 俺達は不穏な気配を回りに感じながらもジェフスラの探索に入った。ハイゼマンの魔法の力でジェフスラの追跡を始めた。ハイゼマンの計画ではジェフスラの一体を撃破して、もう一体は前回奴を倒したときに手に入れた銀の網をつかい、シャーラタンを逆に引っかけようと言うのだ。

 俺達は人気のない村を北の方へ進んでいって。どこかに油断があったのかも知れない。ジェフスラの存在に気づかずに近づきすぎた。奴は俺達の間に割って入るように空中(木の上だが)から降ってきた。体制を立て直す暇などなく奴は体から氷の網を四方に飛ばし俺達を分断した。体が熱く興奮してきたのが分かる。素早く俺は石弓を引く。皆との間に壁はできたが、俺と奴の間に障害はない。しかし、俺は直ぐには撃たない。何故なら俺はアーチャーだからだ。自分の中の力を開放して目標の体にぶつける。ジェフスラの体に鉤爪で引っ掻いたような白いマークが入る。ロックオンだ。たんまり引き絞っていた力をいっきに放つ! 唸りをあげて矢は鉤爪のマークに捻じり込む。ジェフスラが奇声を上げて飛びかかってくる。近接になっては不利だが奴はまだ自分の放った氷の網にぶら下がっている。しゃがめばまだ撃てる距離だ。俺は体を丸めるようにして無理矢理奴との間に距離を取り、そして再度打ち込む。俺は奴が怯むまで同じカ所に矢を打ち込み続ける。一カ所に多数の矢が刺さり無気味な緑色の液体を流しはじめた。奴は素早く体を回転させてイルディアルに標的を変えた。ジェフスラは自ら の腕に氷の刃を生わせる。トゥクトゥクがイルディアルを守るようにジェフスラに躍りかかる。別の方向からはハイゼマンの放つ炎や石飛礫がジェフスラに減り込む。そして、イルディアルは氷の刃を前にして、後ろには下がらずに一歩前に進んだ。イルディアルはその右手でジェフスラを撫でた。青白い光が掌から発されて、ジェフスラが苦悶の悲鳴を上げた。しかし、ジェフスラは狂ったように氷の刃のついた前足で前方を凪ぎ払った。イルディアルは後方に吹き飛び、氷の網の中に埋もれた。
 ジェフスラは尚も暴れ回っていたが、トゥクトゥクが氷の網の上を軽くステップを踏むように舞って攻撃をかわし、切り刻んでいった。

 ジェフスラの死体から銀の網を回収した。ハイゼマンは溶けた氷の網からイルディアルを助け出した。イルディアルは大丈夫だと立ち上がり、ふらつきながらも任務を優先するように言った。

 銀の網を二つ用意して、俺達は村の中心である村長の家に向かった。向かっていくと直ぐに前方で闘いが行なわれている音が聞こえてきた。姿が見えてくるとこうだ。小柄なローブ姿の奴が一人それをかばうようにジェフスラが二体、そこにジェフスラ一体が襲いかかっている。ハイゼマンが指示を出し、トゥクトゥクが裏から家に進入して人質の開放。俺はその援護。ハイゼマンとイルディアルはジェフスラ同士の様子を伺いそれに応じて行動をとる事になった。

 俺は窓の外から援護するように様子を伺っていたが、トゥクトゥクは直ぐに人質の無事を確認して戻ってきた。

 外の様子はハイゼマンとイルディアルがジェフスラ達に攻撃を始めていた。俺は体の向きを変え、次の動きに備えた。家の陰からジェフスラ一体が二人の方に向かってくる。
 イルディアルがゆっくりとダンスを始めた。ジェフスラの動きが緩慢になり、イルディアルの動きに合わせ体をゆらし始めた。ネザーマンサーの魔法の力だ。俺は素早く動きが止まった奴にロックオンする。ハイゼマンは炎を飛ばすが、ジェフスラとは離れているところに何度も打ち込んで命中しない。どうやらシャーラタンの幻術にかかってしまったらしい。
 動きの取れないジェフスラなど只の蜘蛛と同じだ。俺達は何秒もかからずにジェフスラを始末した。しかし、その間にシャーラタン一行(シャーラタンが連れていたジェフスラ2体は幻覚で、実は部下のオーク2匹だった)を逃がすはめになってしまった。
 が、トゥクトゥクは小さくなりつつある影を追って走り出した。その間ハイゼマンとイルディアルの指示で人質の開放と救出を済ませた。村人達は薬で動けなくされていただけだったが、ブレスティーの仲間は疲労や怪我が重なっておりかなりの休息が必要だった。それは俺達も一緒だ。

 村人たちを救出した後で、ぼろぼろになったオークを引き摺ってトゥクトゥクが戻ってきた。俺達は村人から歓迎を受ける前にそいつを尋問することにした。何時もはそんな場所に顔を出さないトゥクトゥクが一緒にいるのが気にかかったが、トゥクトゥクが近づいただけで、オークが喋り始めた。よほど、痛い目にあったのだろう。

 オークが言うのには、自分たちはシャーラタン(なんと、12歳の子供なのだと言う)に雇われ、奴隷狩りの手伝いをすることになったという。人里離れたセリアラの村に焦点を合わせたという。後の話はブレスティーから聞いたのと同じだが、連れ出そうと馬車二台で出発したところ、ブレスティーたちがケーアをつついた時に連れてきてしまったジェフスラ8体に襲われたと言う。あっというまの襲撃で、馬車一台を切り捨てて命かながら村に戻った。が村の中には2体のジェフスラが残っていて脱出もままならなくなった。そこに俺達が現れたという訳だった。

 ハイゼマンが奴隷にした村人をどこで引き渡すようになっていたかと聞くと、そこはブラッドウッドの近くということがわかった。憎きセラの手先をほってはおけないが、ケーアのジェフスラの件も片づけなくてはならないだろう。
 俺はブレスティーの仲間に(エルフのアーチャーの女)血の契約を条件にアーチャーの教えを乞う約束をした。女は自信を無くしかけていたが、再び俺達とケーアに潜ることで自信を取り戻すことを誓った。

 俺達は、ブレスティー達の休息の間もセリアラの間を行き来してハイヤモンに事件の経緯と。これから俺達がケーアの件を調べることを告げた。
 
 

※書記ではなく、話した言葉をそのまま記録することを商売にしている店。

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